しらす甘露煮ができるまで


【淡路島】


国生み神話の地として歴史の深い淡路島は、御食国(みけつくに)と呼ばれ、古来、朝廷に数々の食材を献上してきました。

今も自然豊かな淡路島では、全国へブランド食材を発信しており、淡路島北部の岩屋漁港で捕れるしらすも特産品の一つです。


【漁】


 

・2隻の漁船の間に網を張る伝統的なしらす漁。潮流が速く栄養豊富な淡路島岩屋沖では上質のしらすが捕れます。

 

淡路島岩屋漁港で水揚げされるしらすの鮮度の高さは随一です。漁場が近いという地の利に加え、魚体を傷めない短時間の網入れや、氷で冷やしながらの迅速な“かご立ち”など船上での工夫により鮮度を保ちます。

 


【競り】


 

・ベルトコンベアを使って、漁船から直接競り会場に荷揚げし、すぐさま競りが始まるのも、鮮度維持へのこだわりです。

しらすの仲買人として50年以上の歴史を持つ当社は、長年の経験で培った目利き力に自信あり。

 その日最高の鮮度で、甘露煮に適した大きさのしらすを仕入れます。


【水洗い・計量】


 

・漁港での競りからわずか15分で工場に搬入。しらす甘露煮にとって、加工時点での鮮度の高さが特に重要です。

 港の近くに加工場がある当社では、「網入れから最短時間で調理まで」を実現します。

 

・鮮度を落とさないよう氷水で素早く洗い、少量ずつかごに入れて異物を除去します。

 


【炊き上げ】


 

・しょう油、砂糖を入れた鍋を火にかけます。その日の素材に合わせた最適な火加減を微調整するため、

 大鍋を使わず、今も小鍋での手づくりの炊き上げにこだわっています。

 

・調味料はしょう油、砂糖、みりん、山椒のみ。山椒は、兵庫県はりま産実山椒を使用。

・水産加工は質の良い原料を手に入れる事が最も大切です。朝捕れしらすを鮮度が高いまま調理するので、

 着色料や保存料は不使用です。素材それぞれの持つ味を損なわず、昔ながらの製法で炊き上げます。

 


 

・始めは強火、徐々に火を弱めながら煮きる直前で火を止めます。1時間ほどの火加減調整は、熟練の職人技。

 香ばしい湯気が立ち込める調理場で、職人たちは1人で7つの鍋の火加減を見極めます。

 

小鍋でこまめにアクを取るので、青魚の臭みが残りません。

 

・焦げないように底を返しながら、じっくり煮詰めていきます。

 

当社では水あめを使わず、砂糖での味付けにこだわっています。

 長時間ご飯に触れても、たれが染み出さないので、おにぎりの具材に最適です。

 

・小鍋調理に適した小さなしらすを仕入れるので、口当たりの良い上品な柔らかさに仕上がります。

 


【小分け・検品・出荷】


 

・炊き上がったしらすは、口当たりが良くなるように、ふんわり捌いてからパック詰めします。

 

・目視だけでなく、金属探知機を使った全量検品体制で、安心・安全を高めています。

 


 

風味豊かなしらす甘露煮は、あつあつごはん、おにぎりの具の他、

お茶漬けやうどんのトッピングにもよく合います。